健康経営優良法人取得の準備は少なくとも1年前から始めよう!

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 健康経営優良法人は、申請の前年度から申請時まで取り組みが評価対象になります。そのため前年度から準備を開始する必要があります。前年度に確実に実施しておきたいことを解説します。
 ※東京都の中小企業に特化した記事を健康ビジネス研究会に掲載しています。東京都の中小企業はこちらもどうぞ。

①情報収集(申請書※チェック) ※中小規模部門は申請書、大規模部門は調査票

 健康経営優良法人の要件は、申請書または調査票に記入されています。設問の選択肢に当てはまるものがあればその項目は適合、当てはまるものがなければ不適合となります。特に中小規模法人部門の場合、今のところ選択肢に「その他」がありませんので、設問の選択肢に該当する施策を実施しなければなりません。必ず健康経営優良法人の直近の申請書を確認して、実施に時間がかかりそうな項目は早めに着手しましょう。健康経営優良法人の要件、特に選択肢レベルは少しずつ変化していますので、毎年8月頃に発表される健康経営優良法人の申請書のチェックは必須です。

 大規模法人部門の場合、認定の見込がなくても、健康経営度調査に回答することをお勧めします。優良法人の申請は優良ですが、調査の回答は無料です。調査結果が出るのが12月と少し遅いですが、自社の立ち位置や実施していない項目がわかります。設問数は多いですが、把握できていない設問は無理に回答する必要はありません。健診受診率、ストレスチェック受検率などはもちろん、男性の育休取得状況など、様々な数字を記入する欄があります。自社で把握できていない項目がわかります。

健康経営優良法人の情報は、「ACTION!健康経営」から取得できます。

https://kenko-keiei.jp/

②早めに健康宣言事業に参加する(中小規模部門の場合)

 中小規模法人部門の場合、加入している保険者(協会けんぽや健保組合など)が実施している「健康宣言事業」に参加していなければ認定さません。例えば、東京であれば、「健康企業宣言」という名の事業名で、健康優良企業「銀の認定」を取得する必要があり、その取得には最低でも6か月かかります。ですから東京都の中小企業には、1年以上前から健康企業宣言に参加することをお勧めしています。

 他の件でも健康宣言事業毎に様々なルールがありますので、早めに健康宣言事業に参加して確認しておくことが必要です。

 健康企業宣言は、保険者から健康経営に関する支援を受けやすくなる協力関係の構築という意味でも重要ですし、優良法人との整合性を意識した事業もあります。そして、次の③の部分で強力なツールとなります。

③「健康宣言事業」を利用してPDCAを回す(特に中小規模部門)

 健康経営優良法人では、「目標・計画の策定」「評価・改善の実施」が必須要件です。「目標・計画の策定」は申請年度に策定すれば良いのですが、「評価・改善の実施」はその前に実施する必要があります。衛生委員会等で毎年PDCAを回しているような企業は問題ないのですが、健康経営を始めるという場合にはやり方がわからないことが多いと思います。そこでお勧めしたいのは、前年度から「健康宣言事業」を利用してPDCAを回すことです。多くの「健康宣言事業」はPDCAを回すツールになっています。ぜひ、活用しましょう。

④健康診断受診率100%を目指す(特に中小規模部門)

 健康経営優良法人では健康診断受診率の項目では原則100%が求められます。中小規模法人部門の場合、受診率95%以上で且つ未受診者には個別勧奨するという条件もあります。可能であれば、前年度の内に達成することをお勧めします。もし達成できなかったとしても、翌年度、優良法人申請時までに再チャレンジができます。なお、この項目は必須ではありませんが、特に中小規模法人部門はこの項目を落とすと健康課題把握の他の設問(50人未満のストレスチェックの実施など)を落とせなくなります。優良法人取得法人の96.7%がこの項目をクリアしています。

 最後にスケジュール例(東京都の場合)を提示しておきます。ご参考まで。